オーディオビジュアル・アーティストのRaimund Wong（Floating World Pictures）と、作曲家Suren Seneviratne （My Panda Shall Fly / Soundway）が、ロンドンの実験的レーベル【Kit Records】よりデビュー・アルバムをリリース。

本作は、フォーク、アンビエント、フリー・インプロヴィゼーションが溶け合う、詩的かつ遊戯的な音響作品。ケーン（khæn）や尺八、大正琴、声楽、チェロといった伝統的な楽器と、90年代の音楽ソフトウェア、ライブ・テープ・プロセッシングを融合させ、遊び心あふれるアプローチで幻想的な音世界を紡ぎ出しています。黒澤明監督の映画『生きものの記録』にちなんで名付けられた、ライムントによる自由形式のラジオ番組「AROLB」。そこから発展したこのアンサンブルには、 Yoshino Shigihara （Yama Warashi）、Maxwell Hallett（The Comet is Coming）、 Clive Bel（𝐉𝐚𝐡 𝐖𝐨𝐛𝐛𝐥𝐞）、Dominic Kennedy（uh）、Francesca Ter-Berg（Fᵂ & a）らが参加。YMOや、山城組による『AKIRA』のスコアに見られる異文化への転覆から触発された、「他者性」や文化的・個人的アイデンティティの分断をめぐる対話を織り成す、ボーダーレスな音のアンサンブルです。月の光に照らされながら、ひそやかな逃避行へと誘われるような一作。[GRRRDEN]