Floral Shoppe [Pink Vinyl]

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Floral Shoppe [Pink Vinyl]

type
LP

謎めくインターネット・ミュージックの巣窟、ニューヨーク〈Olde English Spelling Bee〉より、ヴェイパーウェイヴというジャンルを世に知らしめた”現代の名盤”がピンクヴァイナル仕様で再発。

1980年代のポップミュージックのサンプリングとカットアップ、それに加えてピッチダウンと強いリバーブによって形成される白昼夢的なサウンド。 ヴェイパーウェイブは独特の作品タイトルやアートワークの観点からも話題になりがちですが、こうした聴覚情報にフォーカスすると、2000年代後半より台頭したチルウェイブ、そして2010年代中盤より再評価が顕在化した80sライクなニューエイジ・ミュージック──そうした二つのムーヴメントを繋ぐポジションにも思えてきます。

その格好の例として「ECCOと悪寒ダイビング」は、現代のインディ・ニューエイジ /アンビエントの新譜に通ずるような、清廉なシンセフレーズをループさせてリスナーをじっくり浸らせる造り。しばしば語られる文明批評的な側面は比較的薄く、純粋に音の快楽に身を任せたくなる仕上がりとなっています。
元ネタのドラマチックさを活かした代表曲「リサフランク420 / 現代のコンピュー」など前半部の鮮烈さで知られる作品ですが、中盤以降のミニマルで静謐な楽曲にフォーカスすると、2023年のいま本作を聴き返す意義がはっきり見えてくるかもしれません。[TOMC]