ロンドンの著名レコードショップが運営する〈Phonica Records Special Editions〉より、同ショップ常連客でもあるFloating Pointsと、RadioheadやBjörkとの仕事で知られる気鋭のプロデューサーMarta Salogniのコラボレート企画盤が到着。

本作のA面は、UKのポスト・インダストリアル〜ミニマル・アンビエント・デュオTomagaのメンバーTom Relleenの急逝を受け。同デュオの代表曲のひとつ「Intimate Immensity」をリミックスしたもの。原曲の太くマッシヴなビートを取り除き、「弾き」のフレーズを強調したシンセ・アンビエント的な仕上がりは、音響リファレンス的観点でも強くオススメできる現代電子音楽ファン必聴の逸品です。

B面は、Floating Points・Martaのコンビによる書き下ろし曲を収録。こちらもビートレスのアンビエントですが、より具体的なフレーズの演奏が抑えられた抽象性の高い仕上がりで、やや音色・ミキシングがアグレッシヴなことから微量のエクスペリメンタル感もあります。A面・B面それぞれの良さが、交互に聴くことで分かりやすく浮き彫りになっていく12インチシングル作品となっています。

なお、〈Phonica Records Special Editions〉での本作の売上は、前述したTom Relleenの名義で設立されたチャリティー団体「The Free Youth Orchestra」に直接寄付されます。
この団体は、子どもたちが音楽機材を手に入れる上での経済的障壁を取り除くことを目的に、楽器の提供〜地元の音楽家によるワークショップなどを実施しています。[TOMC]